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glolab グロラボ

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都立南葛飾高等学校でキャリアワークショップを開催しました。

都立南葛飾高校では、先生が中心になって立ち上げた、”GCC”という、有志のクラブがあります。外国ルーツの生徒たちが集まり、主体的に活動内容を考えて活動しています。

glolabは、2020年11月から3回にわたり、キャリアワークショップを開催しました。まず、「外国ルーツの高校生」だった大学生や社会人ロールモデルの話を聞いたり、「これまでの自分」について振り返るワークショップを行いました。最終回では、高校卒業後の進路に対する具体的なイメージを持ったり、高校卒業後の進路に向けて、今何をしなければならないか考えてもらうワークショップと発表を行いました。

活動報告

1回目は、2019年11月25日(月)の放課後に行いました。
李 来星さんという、この学校の卒業生がロールモデルとして協力してくれました。来星さんは14歳の時に来日し、大学卒業後、就職した社会人です。卒業から既に10年以上経っていて、何度も「懐かしいな~。自分の頃とはだいぶ変わったな~」と言っていたのが印象的でした。 来星さんは、高校を卒業してから、一浪を経て、大学に進学しました。大学時代は「大学生らしい」生活をしていたようです。飾らないお話を、生徒たちはどう受け取ったでしょうか。

2回目は、2019年12月14日(土)のお昼に行いました。
山崎 エバさん、景山 宙さん、ナディさんの3名がロールモデルとしてゲスト参加してくれました。
エバさんは、15歳で来日し、フリースクールで日本語と教科の勉強をして、公立高校に入学しました。卒業後は、アパレルメーカーの社員として販売を担当しています。景山さんは6歳で中国から来日し、日本の小・中・高・大学・大学院を卒業しました。現在は重工メーカーの社員で、海外マーケティングや企業買収をしています。ナディさんは、6歳で来日し、日本の小・中・高・大学を卒業しました。現在は、会社員(エンジニア)そして作家として活躍中です。
高校生はペアになって、3人のロールモデルの話を順に聞いていきました。事前にロールモデルには絵を描いてもらっていたり、キーワードを挙げてもらっていたりしたので、それを基に話が盛り上がりました。また、共通の言語があれば、母語等を使いながらたくさん話していました。日常の話から仕事の話、生活にまつわるお金の話まで、ざっくばらんにコミュニケーションが進んでいました。

3回目は、2019年12月20日(金)の放課後に行いました。
最終日のこの日は、前の2回でのロールモデルのお話を参考にしながら、高校生自身がどう考えるかを振り返る活動を行いました。ワークシートに、これまでのことと今の状態、そして、これからのことを書いてもらいました。すると、「これまで」を書くことができても「これから」が出てこない生徒が多くいました。そのため、「○○が好きなんだ、じゃあ、大学で**の勉強することとか考えてるの?」と直接的に問いかけることで、将来に対する考えが出てきました。その上で、大学や専門学校のパンフレットを見るなどの活動につなげました。
自己開示やアウトプットをする機会が多かったので、普段日本語をあまり話さない生徒も今日は活動の中でたくさん日本語を使っていました。

3回のワークショップを通して

高校生は、世代が近いロールモデルとの話で盛り上がり、日常の生活や仕事について質問をしていました。また、アイスブレークで、ロールモデルのプライベートをクイズにして身近に感じられるようにしたり、ロールモデルが高校生に寄り添って傾聴したくれたりしたおかげで、高校生が心を開いてくれたのだと思います。また、母語で話せる安心感も強かったことでしょう。

高校の先生方は、日々の業務等で時間に追われています。教員と高校生の間に入って、日々の悩みや考えを聴きながら将来のために、一歩踏み出す後押しする役割の重要性を再認識できた機会でした。