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「みらいチャレンジプログラム」 のオンライン合宿を実施しました

 glolabは外国にルーツを持つ15歳から20歳の若者に向けて視野を広げる力をつけ、将来を考えることや新しいことにチャレンジすることができるプログラム「みらいチャレンジプログラム」を企画・実施しています。

 このプログラムは、公益財団法人日本国際交流センターの「外国ルーツ青少年未来創造事業」連携事業である住友商事株式会社の社会貢献活動プログラム「100SEED」との協働の一環として、同社プロボノチームおよび一般社団法人十勝うらほろ樂舎や浦幌町の有志の方のご協力の下、実施しております。なお、当プログラムは公益財団法人電通育英会の助成を受けて実施しております。

そのプログラムのひとつであるオンライン合宿についてご報告します。

「みらいチャレンジプログラム」オンライン合宿 概要

  ■ 日時:2021年7月31日(土)、8月1日(日)
 ■ 参加者:中学2年~高校3年生
 ■ 参加人数:7名(プログラム参加者 9名、内2名欠席)
 ■ 形式:ハイブリッド(対面・オンライン)によるワークショップ
 ■ ねらい:
   1. 浦幌町の話を聞いて、「仕事」を様々な視点から見る
   2. 自分で将来について考える力を身に付ける
 ■ 内容:
1日目
【午前】
  ・浦幌町でのくらしに関する質疑応答
  ・仕事の広がりについて考えるワークショップ
【午後】
  ・オーガニックコスメブランド『rosa rugosa(ロサ・ルゴサ)』を作っている森健太さん(株式会社ciokay代表)と『ハハハホステル』を経営する小松輝さんによる仕事のオンライン見学
2日目
【午前】
 ・有限会社浦幌印刷の髙室智全さんと十勝うらほろ樂舎の宮寺由佳さんによる社会人経験談
【午後】
 ・外国にルーツを持つセンパイの体験談
 ・10年後の自分について考えるワーク

合宿の様子

当初の計画では、北海道十勝郡浦幌町での体験型合宿を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、仕事現場の見学と社会人経験談は、オンラインで実施しました。

プログラムの変更により2日間、朝からびっしり詰まったスケジュールとなりましたが、当日の参加者の中高校生は真剣にゲストスピーカーの声に耳を傾けており、一所懸命考える姿がとても印象に残りました。ワークショップ中の悩んだ顔、質問を考える時の真剣な顔、発表する時の照れた顔の一つ一つが、彼/彼女たちが何かを感じて咀嚼しているように見えました。時には疲れた顔も見せましたが、誰一人途中で抜けることなく、最後まで本当に頑張ってくれました。

2日目には浦幌町出身の高校生が、浦幌町からプログラムを受けました。浦幌町の社会人による経験談のパートでは、「身近な人から普段聞けない話しが聞けて新たな気付きになった。」と感想を話してくれました。また、10年後の自分について考えるワークでは、多様な働き方を推奨している浦幌町で暮らしてきたからこその考え方が伝わったとうかがえる発表をしてくれました。

対面参加が制限される中で、オンラインではありましたが、これからもっと中高生同士がコミュニケーションをとれるように、引き続きこのような機会を設けていきたいと思います。

「仕事」ってどうなの?「仕事」をする人ってどうなの?

 このプログラムでは、北海道十勝郡浦幌町からのご協力の下、参加者が浦幌町での「仕事」や「暮らし」を学びました。

1日目の午後は浦幌町のオーガニックコスメブランドrosa rugosa(ロサ・ルゴサ)を作っている森健太さん、宿泊施設ハハハホステルを経営する小松輝さんのお二方をお招きし、それぞれはまなす農園とハハハホステルから、現場の紹介とともに「新しい仕事と働き方」についてお話頂きました。

森さんは、いままで価値を見出されなかった、浦幌町で広く自生している町の花でもある「ハマナス」という日本原種のバラを活用したいという、浦幌町の中学生たちからうまれたアイデアに注目し、中学生のアイデアを最大限に活かしオーガニックコスメを作ったお話をしてくださいました。

小松さんは一次産業が中心の町である浦幌町で酪農ヘルパーをしている経験から、地域に泊まり、地域の暮らしを体験し、地域にある日常をゆっくりと楽しんでいただけるような空間としての宿泊業を営むことになった話をしてくださいました。 そして、その背後にあるお二人の思い。その思いが伝わったのか、参加者の中高校生は「仕事」や「働き方」に対し、目をキラキラさせながら想像を大いに膨らませていました。

2日目の午前は、浦幌町に住まれている有限会社浦幌印刷の髙室智全さんと、一般社団法人十勝うらほろ樂舎の宮寺由佳さんをお迎えし、全く異なるバックグラウンドを持つお二人の社会人経験談をお話いただきました。

お二人が「働くこと」において大事にしていること、そして社会人として大事にしていることをご自身の経験を交えながらお話して下さりました。お話の最後には今回のプロジェクトに参加した中高校生へのメッセージを盛り込んでいただきました。

「無駄な経験は一つもない」
「好奇心をもって。興味あることをみつけたら色々調べてみよう」

そのメッセージはワークショップでの話し合いや合宿後の感想を述べる場で参加者の口から何度も出てきた言葉となり、お二人のお話が参加者の胸に大きく響いていることが容易にわかりました。

 

「わたし」の10年後は?

 2日目の午後は、それまでの内容を踏まえて、10年後の目標を具体的にイメージし、今の自分と結び付けて行動にどう移すかを考える「10年後のわたしを考える」というワークを行いました。

実際にやってみると、ファシリテータとしてグループに入っていた大人たちがどうアドバイスするのがいいかを頭を悩ませることとなり、大人にとっても、新たな気づきを得るワークとなりました。難しいワークではありましたが、いざ発表となると参加者一人一人がしっかり悩んだうえでの発表に挑めていました。

それぞれの目標は違いますが、個々に目指すべき方向が少しずつ絞れていました。次回は事後学習一回目。合宿から2か月が経ち、参加者たちはそれぞれどんな一歩を踏み出したのでしょうか、楽しみです!

報告執筆:李 澍