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動画のあれこれ紹介セッションVol.3~センパイの体験~を実施しました

 glolab(グロラボ)では、外国ルーツの高校生や彼ら/彼女らの支援者の方々に活用いただける様々な進路支援動画の制作と、それらを活用したプログラムの企画・実施を行っています。2021年10月から12月にかけては、動画を広く支援者の皆さんに知っていただくための紹介セッションを月1回開催しています。

12月は第3弾として『センパイの体験』と題して開催し、全国各地から支援者の皆さんにご参加いただきました。

概要

■ 日  時:2021年12月12日(日) 13時~14時
■ ワークショップ名:動画で学ぶ進路準備のあれこれ紹介セッション!Vol.3-センパイの体験-
■ 講演者 : 特定非営利活動法人glolab
         理事 上村    
         コーディネータ ファム
■ 参加人数:6名
■ 形式:Zoom
■ 目的:
 ・「センパイの体験」動画シリーズ制作の想いや活用方法について知っていただく
■ プログラム:
 ・glolabの取り組み
 ・ロールモデル(センパイ)の捉え方
 ・動画制作の想いと活用方法

当日の様子

冒頭ではコーディネーターのファムより、一般的なロールモデルの捉え方とglolabの捉え方の違いについてご紹介をしました。glolabでは、外国ルーツの若者が親しみを感じやすいようにロールモデルではなくあえて『センパイ』という表現を使っています。

また、この文脈における『センパイ』は決して完璧な存在ではなく、時には失敗をしたり辛い出来事も経験しながら自分なりの人生を歩んでいる存在であることをご説明しました。加えて、当団体では外国ルーツの若者に多様な『センパイ』を知るきっかけを提供することで、彼ら/彼女らが将来を考える際の刺激やヒントを得ることを期待していることもお伝えしました。

そして、次のパートではインタビュー形式で理事の上村より『センパイの体験』動画シリーズ制作の想いや活用方法について回答してもらいました。以下、上村の回答を要約した内容になります。

Q. 自己紹介
  上村の自己紹介に関しては、ぜひこちらのレポートをご覧ください。

Q. glolabに関わるきっかけは? 
上村:日本に来てから、日本社会に対するマイナスな感情を抱いたり劣等感を感じながら暮らしていましたが、ある時ある人から「鏡が先に笑わない」ということを教えてもらいました。大きな影響を受けた言葉なんですが、つまり「社会に対してああだこうだと求めてばかりではなく、自分が日本社会に与えたい影響を意識しながら動くことで、社会が自分の行動に対して反応してくれる」とい意味です。その言葉があったから、自分から動き出すことができ、そして同じ想いの人たちと出会っていく中でglolabの活動に関わることになりました。

また、glolabに関わることで、自分と同じような想いをしている子どもたちがたくさんいることを知ることができました。その上で、glolabを通じて『外国ルーツであることはアドバンテージになる』ということを日本社会にも子どもたちも伝えて行きたいです。

Q. センパイのストーリーを通じてどんなことを伝えたい?

上村:まず、センパイのストーリーを通じて、外国ルーツの若者には「自分は一人じゃないんだ」ということを知っていただきたいです。次に、多様な生き方や選択肢があっていいんだということを伝えたいと思います。

Q. センパイの体験動画を見るメリットは?

上村:外国ルーツの若者や支援者にとってのメリットとして、1つ目は好きなタイミングで動画を観ることが出来ることですね。2つ目には多様な生き方をしているセンパイの存在を知ることができるということです。3つ目は、動画を見た若者の皆さんがグループワークをするような場合に、ゲスト本人がいないことで気兼ねなく自由に自分たちの意見を共有することが出来ると思います。また、4つ目には実際にゲストとして学校等に来てもらう場合はそのための手配や調整、場合によっては費用が発生することもあり実施者にとっても大変かと思いますので、そういった負荷をなくすことができます。
加えて、センパイとなる方々の中には学校や支援の現場に直接赴いて語ることにためらいや負荷がかかったり、時間や物理的な制限があり難しい場合があります。その点からも関係者の負荷を軽減できる効果的なツールだと考えています。

Q. センパイのストーリーをどんなふうに活用してもらいたい?

上村:YouTubeで手軽に観ることが出来るので、外国ルーツの若者・生徒の皆さんが好きな時に観てもらうということが出来るかと思います。また、学校等の支援現場においては生徒の状況を踏まえて、先生や支援者の方が適切だと思われるストーリーを選んで、生徒に観てもらいその上でディスカッションする、という活用方法もあります。

ファム:支援現場での活用についてより具体的にイメージいただけるようにモデルワークショップをご紹介します。モデルワークショップでは、上村のストーリーの1話〜5話までを事前に生徒に観てきてもらい、その動画をもとに宿題のワークシートに取り組んだ上で、当日ワークショップを実施する流れになっています。詳しくはこちらの投影スライドをご覧ください。

なお、参加者からは「参考になりました!そして、上村さんにお会いできてとても感動いたしました。動画の活用アイディアもいただいたので、学ぶことが多かったです。」という感想をいただきました。

glolabでは引き続き外国ルーツの若者や支援者の皆さんにとって参考になるようなセンパイの動画制作・提供を続けて行きます。センパイの動画を利用したワークショップ実施についてのご相談やお問い合わせはこちらより受け付けています。

▶︎ 当日の投影スライド
▶︎ glolab制作動画一覧
▶︎ YouTube : glolabチャンネル(ぜひチャンネル登録をお願いします!)

報告:ファム・上村