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認定NPO法人キッズドアとの協業で「NEWDOOR進学プレッププログラム」を提供開始しました

外国にルーツを持つ高校生の進路支援プロジェクト「高等教育機関受験支援給付金付きキャリアプログラム」が
認定NPO法人キッズドアとの協業で始動


 外国にルーツを持つ若者にむけたキャリア教育とコミュニティ創出事業を行う特定非営利活動法人glolab (グロラボ)(所在地:東京都新宿区、代表理事 柴山智帆)は、一年間の高等教育機関受験支援給付金付きキャリアプログラム、「NEWDOOR進学プレッププログラム」を開始しました。

 文部科学省の日本語指導が必要な児童生徒の受け入れ状況等に関する調査(令和3年度)によれば、日本語指導が必要な高校生の中退率は全体の5倍多く、進学率は全体より21.5ポイント低く、高等教育機関への進学は厳しい状況です。そのなかでも特に家族滞在*1や公用*2等の在留資格は奨学金受給の対象外となる場合が多く、進学には大きな壁に直面しています。

 そこで、glolabは一年を通して、奨学金受給に制限がある家族滞在や公用等の在留資格を持つ高校生むけに情報収集能力やマネーリテラシーを高め、自律的な自己形成ができるようなキャリアプログラムを実施することとしました。また、認定特定非営利活動法人キッズドア(所在地:東京都中央区、理事長 渡辺由美子)より、高等教育機関の受験に必要な日本語力を培う支援を提供頂きます。プログラム参加者には、これらのプログラムを受講した上で、高等教育機関を受験する際に必要な費用の給付を行います。

 本プロジェクトは、個人の方のご寄付により実現しました。ご寄付者のAさんは高校生時代に母親の海外出身のパートナーとパートナーの息子さんと一緒に生活した時期がありました。パートナーの息子さんに対して父親は英語で、Aさんの母親は日本語でしかコミュニケーションを取らなかったため、4歳の時点で日本語も英語も話せない状態になってしまったそうです。今では彼は立派に成人して働いていますが、その経験からAさんは「あの時、自分に何かできることがあったら彼の人生にもっと違った可能性も生まれたのではないか」との思いを抱いたそうです。その思いが、本プロジェクトへと形を変えて動き出しました。

*1 家族滞在:日本で就労するために来日した者(主に親)の家族(配偶者や子ども)に対する在留資格。
*2 公用:日本政府の承認した外国政府又は国際機関の公務に従事する外国人に対する在留資格。大使館・領事館の職員をはじめ、その職員用務の為の運転手なども含む。


ご寄付者A様からの本プロジェクトに向けたメッセージ

「様々な家庭環境が理由に就学が困難な外国人ルーツの若者たちにチャンスを与えたい」 「身内ではできなかった第三者だからこそできるフォローをしたい」 「外国ルーツの若者たちの可能性を広げたい」

そのような話を(glolab代表理事)柴山さんから伺った際に私は感銘を受け、何よりも自分ができなかった事の贖罪に対し、できる範囲の事をしたいという思いが、支援に至った動機です。

若者には無限の可能性がある、というのは与えられる環境次第です。

自力があっても、それを発揮できるスタートラインに立てるかどうかで未来の選択肢の幅に大きく影響します。

このプログラムを通し、1人でも多くの外国ルーツの若者たちが新しいドアを開けて学びの機会をつかみ取り、未来を切り開いていけるよう、切に願っています。


認定特定非営利活動法人キッズドア 教育支援事業部長 今井久子様からのメッセージ

何らかのかたちでその子の学びがとまってしまう状況は、さまざまな社会的要因が関与しています。

キッズドアはどの子にも公平に学び機会が与えられ、未来に希望が持てる社会をつくるため活動しています。外国にルーツを持つ児童・生徒への学習支援については、弊会としても比較的新しい事業ですが、日々模索しながらも前進しています。

この度、glolab様からオンラインによる日本語の作文指導をさせていただく機会をいただき感謝申し上げます。今後、オンラインでの日本語支援の効果を検証しながら、広く普及していきたいと考えます。

国籍や文化的背景、在留資格での差異によって、限られた選択肢をしいられてる状況へ少しでも貢献できれば幸いです。


特定非営利活動法人glolab 代表理事 柴山智帆からのメッセージ

家族滞在や公用等の在留資格を持つ若者は、日本で学校教育を受けて成長しても、大学や専門学校をめざす時点で奨学金という大きな壁に直面します。こういった壁を本人に加え周りの大人も必ずしも理解をしているわけではなく、中には進学を断念してしまう若者もいます。さらに、家族滞在の生徒の保護者には、コロナ禍で経済的に困窮している家庭もいます。

外国にルーツを持つ子ども/若者も、日本社会で生きる大切なメンバーです。にもかかわらず、未だに制度面の壁が彼ら彼女らの前に立ちはだかっています。

私たちは、このプロジェクトを通して、彼ら彼女らが壁を乗り越え自分らしく生きる力を身につけられるよう伴走し、未来へと続く道に光を灯していきたいと思っています。


■本件に関するリリース ▶▶▶ PDF